資格攻略法

第1種衛生管理者免許試験対策(その2)衛生管理体制&事業場における自主的活動

こんにちは,ビシカです.

第1種衛生管理者の試験に独学で合格できるよう,押さえておくべきポイント(試験に出やすい箇所)を項目で分けて説明していきます.今回は「衛生管理体制」と「事業場における自主的活動」です.

------ 試験科目:労働衛生 試験範囲:衛生管理体制 ------------

<労働衛生管理者体制の整備>
わかりにくい業種↓
  各種商品卸売業・・・商社を含む
  各種商品小売業・・・デパート,百貨店などを指す(衣食住)

1.衛生管理者(安衛法第12条)
・選任の要件:
事業者は常時50人以上の労働者を使用する事業場ごとに当該事業場の規模・業種の区分に応じて「都道府県労働局長から衛生管理者の免許を受けたもの」「医師,歯科医師,労働衛生コンサルタント等厚生労働省令で定める資格を有するもの」のうちから衛生管理者を選任

業種の区分のうち「医療業」は「病院」をさす.「その他の業種」は「小売業」,「卸売業」と考えてよい.
資格には「歯科医師」も含まれる.「その他の業種」では,有資格者として「第二種衛生管理者免許」でもOK.

・選任の時期及び報告:
衛生管理者を選任すべき事由が発生した日から14日以内に選任する.
事業者は遅滞なく所轄労働基準監督署に選任報告する.

・専属要件:
2人以上選任する場合は,そのうちの1人を事業場に専属ではない労働衛生コンサルタントの選任可

・事業場の規模と衛生管理者の選任数(安衛則7条4項)

事業場の規模(常時使用する労働者数) 衛生管理者数
50人以上200人以下   1人以上
200人を超え500人以下   2人以上
500人を超え1,000人以下   3人以上
1,000人を超え2,000人以下   4人以上
2,000人を超え3,000人以下   5人以上
3,000人を超える場合   6人以上

・選任の衛生管理者:
衛生管理者のうち少なくとも1人を専属の衛生管理者とする事業場
(1)常時1,000人を超える労働者を使用する事業場
(2)常時500人を超える労働者を使用する事業場で,坑内労働又は労規則第18条各号に掲げる業務に常時30人以上の労働者を従事させるもの

第十八条 法第三十六条第六項第一号の厚生労働省令で定める健康上特に有害な業務は、次に掲げるものとする。
一 多量の高熱物体を取り扱う業務及び著しく暑熱な場所における業務
二 多量の低温物体を取り扱う業務及び著しく寒冷な場所における業務
三 ラジウム放射線、エックス線その他の有害放射線にさらされる業務
四 土石、獣毛等のじんあい又は粉末を著しく飛散する場所における業務
五 異常気圧下における業務
六 削岩機、鋲打機等の使用によつて身体に著しい振動を与える業務
七 重量物の取扱い等重激なる業務
八 ボイラー製造等強烈な騒音を発する場所における業務
九 鉛、水銀、クロム、砒素、黄りん、弗素、塩素、塩酸、硝酸、亜硫酸、硫酸、一酸化炭素、二硫化炭素、青酸、ベンゼン、アニリン、その他これに準ずる有害物の粉じん、蒸気又はガスを発散する場所における業務

衛生工学衛生管理者免許を受けた者の選任の対象となる事業場:
常時500人を超える労働者を使用する事業場であって,坑内労働または「多量の高熱物体を取り扱う業務及び著しく暑熱な場所における業務」「ラジウム放射線、エックス線その他の有害放射線にさらされる業務」「土石、獣毛等のじんあい又は粉末を著しく飛散する場所における業務」「異常気圧下における業務」「鉛、水銀、クロム、砒素、黄りん、弗素、塩素、塩酸、硝酸、亜硫酸、硫酸、一酸化炭素、二硫化炭素、青酸、ベンゼン、アニリン、その他これに準ずる有害物の粉じん、蒸気又はガスを発散する場所における業務」に常時30人以上の労働者を従事させるものにあっては,衛生管理者のうち1人を衛生工学衛生管理者免許を受けたものから選任する.

2.産業医(安衛法第13条)

常時50人以上の労働者 産業医1人(非専属)
常時1000人以上の労働者*
(一部業務は500人以上)
産業医1人(専属)
常時3001人以上の労働者 産業医2人以上(専属)

*常時1,000人以上の労働者を使用する事業場 または 高熱物体を取り扱う業務等の一定の有害業務に常時500人以上の労働者を従事させる事業場では,その事業場に専属のものを選任する.

3.作業主任者(安衛法第14条)
・労働衛生に関する主な作業主任者:
(1)技能講習:特定化学物質作業主任者,特定化学物質作業主任者(特定有機溶剤等関係)
(2)技能講習:酸素欠乏危険物作業主任者
(3)技能講習:鉛作業主任者
(4)技能講習:四アルキル鉛等作業主任者
(5)技能講習:有機溶剤作業主任者
(6)技能講習:石綿作業主任者
(7)免許試験
:高圧室内作業主任者
(8)免許試験:エックス線作業主任者
(9)免許試験:ガンマ線透過写真撮影作業主任者
・・・「粉じん」や「潜水」に関するものは含まれないことに注意!

<(安全)衛生委員会の活用>
衛生委員会は全業種が対象,50人以上で設置(安全委員会は別)

・委員会の設置:
安衛則第23条において「安全委員会,衛生委員会又は安全衛生委員会を毎月1回以上開催するようにしなければならない.」と定められている.

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衛生管理体制はここまでです.特に黄色マーカーで記した個所は押さえておけば試験対策としてはOKです.

それでは,また次稿お会いしましょう.

ABOUT ME
技術士ビシカ
【職業】ものづくりを愛する製造系エンジニア 【保有資格】 技術士(化学部門),エネルギー管理士(熱),ボイラー技士(特級,一級,二級),高圧ガス製造保安責任者(第一種冷凍機械,甲種化学),甲種危険物取扱者,公害防止管理者(大気関係第1種,水質関係第1種),第一種衛生管理者、第一種作業環境測定士(金属類、有機溶剤,特定化学物質)など 【好きな言葉】 『大丈夫.心配ない.なんとかなる.』(一休禅師)『化学の力は無限大』