こんにちは,ビシカです.
高圧ガス保安法では,一定規模以上の高圧ガス製造事業所に対し保安責任者の選任を義務付けています.そこで,今回は高圧ガス製造保安係員(一般ガス)講習の講習内容について説明します.
まず,保安係員の選任等については,法第27条の2などで以下のように定められています(一部抜粋して説明).
<保安係員の選任>
製造施設区分ごとに(事業所ごとではない),系列ごとに,交代制のために編成された従業者の単位ごとに選任する.
⇒要は,施設ごとに必ず誰かいることが求められています.
<資格要件>
製造保安責任者免状の交付を受け所定の高圧ガスの製造に関する経験を有する者
⇒「免状の交付を受け」というところがポイント.保安統括者,保安技術管理者,保安企画推進員,保安主任者,保安係員のうち,免状(=資格)が必要なのは保安技術管理者,保安主任者,保安係員のみとなります.言い換えれば,保安統括者と保安企画推進員は免状は必要ありません.保安統括者で必要なのは資格ではなく統括管理者という「権限」ですので,要は事業所長などの役職者が選任されます.また,保安企画推進員で必要なのは資格ではなく「知識と経験」ですので,環境安全衛生部の部長などが選任されることが多いです.
<講習の受講>
第一回目(初回):製造保安責任者免状の交付を受けた日の属する年度の翌年度の開始の日から3年以内.ただし、選任された日にすでに製造保安責任者免状の交付を受けた日から3年が経過している場合,または選任された日から3年が経過するまでの期間が6ヶ月未満の場合には,選任された日から6ヶ月以内
第二回目以降:前回講習を受けた日の属する年度の翌年度の開始日から5年以内
⇒一回講習を受講したらお終いではなく,定期的に受講することが求められています.今回はこの講習内容を説明します.
1.講習期日
年間を通して不定期に開催されています.講習カリキュラムは2日間です.
2.講習場所
全国で開催されます.
講習日時が合えば近場(勤務先圏内)で受講することをお勧めします.理由は,受講は2日間にわたること&受講中に何度かグループ討議があるため,勤務先の人間関係に特に問題が無ければ,なるべく知り合いがいた方が心理的負担は減るかなと思います.
3.講習時間割
カリキュラムは下表の通りです(講習場所によって変わるかもしれません).
内容 | 時間 | |
第1日目 | 高圧ガス保安法 | 9:00~11:30 |
保安係員の役割と心構え(DVD視聴) | 11:30~12:00 | |
高圧ガスの危険性・有害性 | 13:00~17:00 | |
第2日目 | 保安係員のための設備管理 | 9:00~11:30 |
災害防止のための安全管理(DVD視聴) | 11:30~12:00 | |
事故事例の分析と活用 | 12:45~16:45 | |
講習修了調査・解説 | 16:45~17:15 |
以下に受講の際の注意点をにいくつか注意点を記載します.
1.各講義の遅刻
原則許されません(極短時間であれば,別途(昼食時間などを活用して)個別に講習を開いてくれるケースもあるようですが).
2.昼食
周りに飲食店やコンビニが無いところがあるかもしれないので,事前に確認しておいた方がいいです.また,第2日目の昼食は45分と少ないです.
3.喫煙所
受講会場では禁煙が多いです.受講はすべて時間通りに出席する必要がありますので,据える場所を確認しておかないと吸う機会を逃します.
4.受講者参加型
現在の講習は講師が一方的に話すのではなく「受講者参加型」となっています.そのため,DVD視聴以外は講義ごとにグループ討議があると思っておいてください.グループ討議が無い場合は,指名もしくは無作為に誰かをあててマイク等で答えてもらうことがあります.(特に正解はなく,秘密保持義務の観点からも話せることは少ないかもしれませんが)
5.終了調査
2日間の講習終了後に「講習終了調査」があります.これは簡単なテストのようなものを受けるのですが,答えを含む解説を受けたうえで提出となります.そのため,「落ちる」ということはないです.真面目に受講していればわかる問いなので,気にしない方がいいです.
6.免状預かり及び返却
第1日目の受付時(講義前)に免状を提出することになりますので,第1日目は少し早めに会場入りした方がいいと思います.
また,第2日目の講習終了後に免状は返却されるのですが,返却場所から席が離れていると会場の外に出るまで時間がかかりますので,特に遠くから来場されている方は時間に余裕をもって帰宅のスケジュールを立てることをお勧めします.
それでは,また次稿お会いしましょう.